内覧者が来たとき売主は何をすべき?失敗しない対応方法とNG行動を宅建士が徹底解説

自宅を売りに出し、いよいよ内覧者が訪れる――この瞬間に「どう対応すればいいのか」「お茶は出すべき?」「説明はどこまで?」と悩む売主の方は少なくありません。実は、良かれと思ってした行動が逆効果になるケースも多いのです。本記事では宅建士の視点から、内覧時にやってはいけないNG対応と、好印象につながる正しい対応方法を詳しく解説します。

内覧者が来たときに売主が悩みやすいポイント

家の売却活動において、内覧は成約に直結する非常に重要な場面です。しかし、多くの売主が「初めての経験」であるため、何が正解か分からず不安を抱えています。

お茶は出すべき?座って話すべき?

内覧者が家に来ると、つい来客対応と同じ感覚で「お茶を出した方がいいのでは」「座ってゆっくり説明した方がいいのでは」と考えがちです。しかし、内覧はあくまで物件確認の場であり、接待や雑談の場ではありません。
内覧者の多くは、短時間で複数の物件を比較しています。そのため、過度なおもてなしはかえって気を遣わせてしまい、マイナス印象になることもあります。

どこまで説明すればいいのか分からない

「この家の良さを全部伝えたい」「ここが決め手で購入した」といった思いから、つい説明過多になってしまう売主も多いです。しかし、内覧者が知りたいポイントは人それぞれ。聞かれていない情報を一方的に話すことは、必ずしもプラスにはなりません。

これは避けたい!内覧時のNG行動

ここでは、内覧対応で特に気をつけたい「やってはいけない行動」を解説します。どれも無意識にやってしまいがちなものばかりです。

ずっと横について説明し続ける

自分が住んでいる家だからこそ、思い入れがあり、良い点をたくさん伝えたくなる気持ちはよく分かります。しかし、内覧者は「自分の目で自由に見たい」と思っていることがほとんどです。

聞いてもいないことを次々と説明されると、
・落ち着いて見学できない
・自分のペースで確認できない
・押し売りされているように感じる
といった印象を与えてしまいます。基本は「聞かれたら答える」。どうしても伝えたいポイントがある場合も、ワンフレーズ程度に留め、相手が考える時間を確保することが大切です。

掃除や片付けが中途半端

内覧時の印象は、細かい部分で大きく左右されます。
例えば、
・出しっぱなしのスリッパ
・物が積み上がった棚
・生活感が強く出ている床
こうした状態は「この家、大丈夫かな?」という不安を内覧者に与えかねません。

片付けは高い位置から行うのがポイントです。視界に入りやすい上部が整理されることで、部屋全体が広くすっきり見えます。ただし、床に物が多すぎるのも逆効果なので、上下のバランスを意識しましょう。

ペットや家族が自由に動き回っている

売主にとってペットは大切な家族ですが、内覧者にとっては「初対面の動物」です。
特に犬の場合、
・噛まれるかもしれない
・吠えられるかもしれない
といった恐怖心を与える可能性があります。「うちの子は大丈夫」という考えは、内覧者には通用しません。

猫も同様で、毛や爪などが気になる方もいます。内覧時は必ずケージに入れる、別の部屋に移すなど、動き回らない配慮が必要です。

内覧時に売主がやるべき正しい対応

では、実際にどのような対応をすれば内覧者に好印象を持ってもらえるのでしょうか。

一歩引いた距離感を意識する

理想的なのは「つかず離れず」の距離感です。
例えば、
・内覧者がリビングにいるときはキッチンへ
・2階を見ているときは廊下で待機
といったように、同じ空間に常にいないようにします。ただし、質問されたらすぐに答えられる距離は保ちましょう。

聞かれやすい質問には自然に対応する

内覧者が特に気にする質問のひとつが「お隣さんや近隣環境」です。
この点については、聞かれていなくても、さりげなく情報提供するのは効果的です。
例えば、
・小さな子どもがいる内覧者には「お隣にも同じくらいのお子さんがいますよ」
・静かな環境を求めている方には「夜はとても静かです」
といった形で、相手の属性に合わせた話をすると喜ばれやすくなります。

明るさ・風通し・匂いが印象を左右する

内覧時の第一印象を決める大きな要素が「空気感」です。

明るく広く見せる工夫

普段の生活ではカーテンを閉めて落ち着いた空間を好む方も多いですが、内覧時は別です。
・カーテンは全開
・昼間でも照明をつける
これだけで、部屋の印象は大きく変わります。

換気で匂い対策を徹底する

家には必ず「その家特有の匂い」があります。住んでいる本人は慣れていて気づきませんが、初めて来る内覧者は非常に敏感です。

内覧予定時刻の15分前から窓を全開にし、しっかり風を通しましょう。匂い対策は、内覧成功のための最重要ポイントのひとつです。

掃除で特に重視すべき場所

掃除は家全体が理想ですが、最低限ここだけは徹底してほしい場所があります。

水回りは最重要

特に印象を左右するのは、
・キッチン
・トイレ
・お風呂
・洗面所
この4箇所です。水回りがきれいだと「この家は大切に使われてきた」という印象を与え、安心感につながります。

お茶出し・座っての説明・セールスは不要

お茶出しはしなくていい

内覧者は「お茶を飲みに来ている」のではありません。短時間で複数物件を回るケースが多いため、お茶出しは不要です。

座って話す必要もない

立ち話で十分です。座ってしまうと、内覧者に「長居しなければならない」というプレッシャーを与えてしまいます。

セールスは不動産会社に任せる

物件の説明や営業は、不動産会社の担当者の役割です。売主が無理にセールスする必要はありません。
仮に担当者の説明に誤りがあれば、フォローする程度で十分です。

内覧対応で売主が意識すべき心構え

内覧時に売主がやるべきことは、
・明るく
・清潔で
・気持ちよい空間を用意する
これに尽きます。
「売り込もう」と力を入れすぎるより、「気持ちよく見てもらう」ことを意識する方が、結果的に良い評価につながります。

内覧対応で売主がよく勘違いしがちなポイント

内覧時の対応について、売主の方が誤解しやすいポイントはいくつかあります。これらを事前に理解しておくだけでも、内覧時の不安はかなり軽減されます。

「頑張ってアピールしないと売れない」という思い込み

多くの売主が抱きがちな勘違いのひとつが、「自分が一生懸命アピールしなければ、この家の良さは伝わらない」という考えです。
しかし実際には、内覧者はすでに立地や価格、間取りといった条件を理解したうえで現地を訪れています。つまり、ある程度「興味を持った状態」で内覧に来ているのです。

そこで売主が過剰に説明をすると、
・押しが強い
・冷静に判断できない
・ゆっくり考える余地がない
と感じさせてしまうことがあります。

内覧者が本当に確認したいのは、「この家で自分たちが暮らせるかどうか」という感覚です。そのイメージを邪魔しないことが、実は最大のアピールになります。

「無言でいるのは失礼なのでは?」という不安

一歩引いて見守る対応をすると、「何も話さないのは感じが悪いのでは」と心配される方もいます。しかし、内覧においては決して失礼にはなりません。

むしろ、
「自由に見せてくれてありがたい」
「落ち着いて確認できた」
という好印象につながることの方が圧倒的に多いです。

ポイントは、無視するのではなく、いつでも答えられる姿勢を見せておくことです。目線や立ち位置、軽い会釈などで、程よい距離感を保つことが大切です。

内覧後に売主がやるべきこと

内覧が終わった後の対応も、実は売却活動において重要なポイントです。

内覧直後の反省会は不要

内覧者が帰った直後に、
「どうでしたか?」
「気になるところありましたか?」
と直接聞きたくなる気持ちは分かりますが、これは避けた方が無難です。

率直な感想は、不動産会社の担当者を通じて伝えられます。売主が直接聞くことで、内覧者に心理的な負担を与えてしまうこともあります。

担当者からのフィードバックを活かす

内覧後、不動産会社の担当者から
・良かった点
・気になった点
・次回内覧に向けた改善点
といったフィードバックが入ることがあります。

例えば、
「もう少し明るいと印象が良い」
「匂いが少し気になった」
といった指摘があれば、次の内覧に向けてすぐに改善しましょう。
内覧対応は回数を重ねるごとに“精度”が上がっていくものです。

内覧対応は「売主の評価」にもつながる

最後に知っておいていただきたいのは、内覧者は家だけでなく「売主の印象」も無意識に見ているという点です。

もちろん、人柄で売買が決まるわけではありません。しかし、
・丁寧に扱われている家
・落ち着いた対応をする売主
という印象は、「この家なら安心して住めそう」という感覚につながります。

逆に、
・落ち着かない
・生活感が強すぎる
・気を遣いすぎて疲れる
と感じさせてしまうと、物件自体の評価が下がってしまうこともあります。

内覧対応は、特別なテクニックは必要ありません。
「明るく、清潔に、静かに見守る」
この3点を意識するだけで、内覧の成功率は確実に高まります。

まとめ

内覧時の売主対応で大切なのは、過度な説明やおもてなしを控え、内覧者が自由に見学できる環境を整えることです。お茶出しやセールスは不要で、距離感を保ちながら質問には丁寧に答える姿勢が好印象につながります。また、明るさ・換気・匂い対策、そして水回りを中心とした掃除は内覧成功の鍵です。売主ができる最大の役割は「明るく清潔で気持ちのよい空間」を用意することだといえるでしょう。

この記事を書いた人

宅地建物取引士茂木
宅地建物取引士茂木
神奈川県生まれ
平成18年に不動産業界に入り、平成21年に宅建試験合格現在に至ります。
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