市街化調整区域の土地は売れない?

市街化調整区域の土地を売ることは容易ではありません。このブログでは、市街化調整区域の土地を持つ方、相続予定の方、そして不動産の専門家に向けて、土地売却に関する重要な情報を提供します。

市街化調整区域とは?

市街化調整区域は、都市計画法に基づき、都市の無秩序な拡大を防ぐために設定された地域です。この地域では、新たな建築や開発行為が厳しく制限されており、農地と同様に土地利用に対する規制が設けられています。

市街化調整区域内にある土地は、開発が難しいため、資産価値が低くなる傾向があります。これが、土地を売却する際の大きな障害となります。

土地を売却する際の規制

市街化調整区域では、土地の売却に際し、さまざまな規制があります。特に、土地が農地である場合、農地法に基づく制限が適用され、売却がさらに難しくなることがあります。

開発行為の制限

開発行為を行うには、都市計画法の基準を満たす必要があります。これには、各自治体の基準が影響するため、地域ごとの規制を事前に確認することが重要です。

用途の制限

市街化調整区域では、用途も制限されており、新たに何かを建築する際には、既存の用途に従う必要があります。用途の変更を希望する場合は、役所に確認が必要です。

相続時の注意点

市街化調整区域の土地を相続した場合、特に注意すべき点がいくつかあります。相続した土地の状況を正確に把握し、適切な対応を行うことが求められます。

不動産の評価・査定価格

市街化調整区域の不動産は、市街化区域に比べて評価が低くなることが多いです。これは、開発制限が影響しており、土地の市場価格も下がるためです。

相続税の申告と納税

不動産を相続する際には、相続税の申告と納税が必要です。市街化調整区域の土地は評価が低いため、相続税も相対的に低くなる可能性がありますが、複数の不動産を相続する場合は注意が必要です。

売却時の注意点

市街化調整区域の土地を売却する際には、特有の注意点が存在します。これらを理解し、適切な手続きを踏むことが成功の鍵となります。

市場調査

市街化調整区域の不動産は、市街化区域と比べて市場性が低く、売却に時間がかかることがあります。周辺地域の販売中の物件を調査し、正確な市場価値を把握することが重要です。

購入者の選定

購入者の選定は慎重に行う必要があります。市街化調整区域の不動産でも、開発や分譲ができる物件であれば、適切な購入者を見つけることが可能です。

売却条件の確認

売却前に、その土地がどのような条件で利用できるかを確認することが重要です。特に、農地転用や除外申請が可能かどうかを事前に確認しておく必要があります。

各専門家のサポート

法的な制約が多いため、専門家のアドバイスが欠かせません。農地転用や除外申請を行う際には、行政書士や土地家屋調査士に依頼することが一般的です。

まとめ

市街化調整区域の土地を売却する際には、さまざまな注意点が存在します。特に、市街化調整区域の特性や制限を理解し、専門家のサポートを受けることで、スムーズな売却が可能になります。

市街化調整区域にある土地を売りたい、または相続したがどうすればよいか分からない方は、ぜひ専門の不動産業者に相談してください。適切なアドバイスを受けることで、より良い結果を得られるでしょう。

この記事を書いた人

宅地建物取引士杉山善昭
宅地建物取引士、建築士、公認不動産コンサルティングマスターなどの有資格者。「杉山善昭の不動産ワクチンがいまなぜ必要か?」著者
(公社)神奈川県宅地建物取引業協会中央無料相談所相談員。
1990年から不動産業界に従事、2005年(有)ライフステージ代表取締役就任。