築25年超の階段マンションは売却困難物件
もうタイトル通りなのですが、売却の依頼を受けても非常に売れにくいです。
一般に建物は新耐震基準と、旧耐震基準があります。
両者の境目は1981年6月1日。
ここで耐震基準が改正されました。
誤解されやすいのは、この日付。建築年月日ではないという点。
建築確認という申請があるのですが、簡単に言うと「この敷地にこういう建物を建てますので認可してください」という手続き。
役所の認可が下りると、建築確認済証という証明が発行されます。
この証明が1981年6月1日以前か、以後かで新耐震基準か否か変わるのです。
建築年月日ではありませんのでご注意くださいね。
さて、新耐震基準であればOKかというと実はそうではありません。
もう一つ大きな差があるのです。
木造は築20年、鉄筋コンクリートなどは築25年という境目。
築年数が未経過なら、各種税特典を受けることができます。
具体的には
●住宅ローン減税
●登録免許税の軽減
●不動産取得税の軽減
の三つです。
価格comで住宅ローン減税のシュミレーションが簡単にできますので、興味のある方は試してみてください。
結構な金額の税特典を得ることができることが分かります。
さて、前置きが長くなりましたが今回の本題です。
築25年を超過したマンションは、この税特典を使うことができません。
ということは、ローンで購入する人には向かない。ということが分かるかと思います。
必然的に、現金で購入する人がメイン顧客層となる訳ですが、マンションを現金で購入することができる人はそれなりに高齢者です。
その高齢者にエレベーターがないマンション。。。
見事にミスマッチだということが分かるかと思います。
では、高齢者以外に購入対象者となる属性はないのでしょうか?
実はあります。
不動産投資家です。
投資家は不動産を購入しても自らが居住することは基本ありません。
人に貸して家賃をもらうからです。
そもそも投資目的の不動産は住宅ローン減税などの税特典を一切受けることができませんから、各種税特典を受けることが出来なくても何ら問題がないのです。
では、最初から不動産投資家向けに販売すれば。。。というのは早計です。
というのも、不動産投資家が購入する価格は、一般消費者が購入する価格よりも圧倒的に安い金額となるからです。
取引相場で購入額を検討するのではなく、利回り計算という計算を用いて購入可能額を算出するのです。
簡単に言えば、1000万のマンションを購入して年間家賃が100万円入ってくれば、表面利回りは10%という事になります。
もちろん、管理費や固定資産税、修繕費などがありますので、もっと実入りは少なくなりますが。
どちらにしても、一般消費者が購入する金額よりは安くなるのが通例です。
このように、25年を過ぎたマンションでエレベーター無のマンションというのは、購入顧客層が皆無なのです。
※文中の写真はイメージで本文と関係ございません。
この記事を書いた人
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宅地建物取引士、建築士、公認不動産コンサルティングマスターなどの有資格者。「杉山善昭の不動産ワクチンがいまなぜ必要か?」著者
(公社)神奈川県宅地建物取引業協会中央無料相談所相談員。
1990年から不動産業界に従事、2005年(有)ライフステージ代表取締役就任。
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