売れている営業マンと売れていない営業マンの決定的な違いとは?成果を分ける「相手目線」のコミュニケーション術
営業で成果を出す人と、なかなか結果が出ない人。その違いは商品知識や話術ではなく、「コミュニケーションの考え方」にあります。
特に不動産営業では、お客様との信頼関係が成果を大きく左右します。一方的に商品の魅力を伝えるだけでは契約にはつながりません。本記事では、売れている営業マンと売れていない営業マンの違いを整理しながら、相手に信頼される営業の基本について解説します。
売れている営業マンと売れていない営業マンの違い
営業マンの違いを一言で表すなら、「コミュニケーションの軸」がどこにあるかです。
売れていない営業マンは、自分を中心にコミュニケーションを組み立てます。
・自分がおすすめしたい
・自分が伝えたい
・自分の都合で話を進めたい
このように、思考の中心が常に自分になっています。
一方、売れている営業マンは、思考の中心が常にお客様です。
・お客様は何を考えているのか
・何を求めているのか
・どんな悩みを抱えているのか
相手を理解することから営業が始まります。
営業は「話す仕事」だと思われがちですが、本質は「聞く仕事」です。
会話の目的は「伝えること」ではなく「引き出すこと」
営業では、自分が言いたいことを伝えることが目的ではありません。
本当に重要なのは、お客様の頭の中にある情報を引き出すことです。
つまり、
・希望条件
・不安
・悩み
・本音
これらを自然に話してもらうことが営業の役割です。
商品説明ばかりしてしまうと、お客様は受け身になります。
しかし、質問を通してお客様が自ら話し始めると、本当に必要としているものが見えてきます。
営業とは、お客様の中にある答えを一緒に見つける仕事なのです。
「自分中心」の営業は信頼されない
コミュニケーションは営業だけではありません。
例えば恋愛でも同じです。
自分の自慢ばかりする人よりも、自分の話を楽しそうに聞いてくれる人の方が好印象を持たれます。
営業でも同じことが言えます。
「この商品は素晴らしいです。」
「こんなメリットがあります。」
と一方的に話すよりも、
「どんな生活をイメージされていますか?」
「何を一番重視されていますか?」
と質問する方がお客様との距離は縮まります。
人は、自分を理解しようとしてくれる相手に安心感を抱くものです。
不動産営業でありがちな失敗
物件の魅力ばかり説明してしまう
不動産営業では、
・駅から近い
・日当たりが良い
・価格が安い
・築年数が新しい
といった物件の魅力を一生懸命説明してしまいがちです。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
しかし、それがお客様の希望と一致しているとは限りません。
例えば、
「多少駅から遠くても静かな環境がいい」
というお客様に対して、駅近ばかりをアピールしても響きません。
まず確認すべきなのは、
「その人にとって何が重要なのか」
ということです。
商品の説明より先に、お客様を理解することが重要です。
長電話は親切ではない
営業では熱意があるほど話が長くなることがあります。
しかし、お客様には仕事や家庭があり、自由な時間は限られています。
そのため、
・要点を簡潔に伝える
・補足は必要な部分だけ
・短時間で分かりやすく話す
この意識が非常に大切です。
テンポよく分かりやすい会話は、「仕事ができる人」という印象にもつながります。
電話営業で気を付けたいポイント
不在時に何度も電話しない
営業でよくある失敗が、不在着信を何件も残してしまうことです。
電話は営業側が能動的に行う連絡手段です。
一方、お客様が電話に出ないのは、
「出られない事情がある」
可能性が高いからです。
それにもかかわらず何度も電話をすると、お客様にプレッシャーを与えてしまいます。
着信履歴が何件も並んでいると、不安や警戒心を抱かれてしまうこともあります。
営業は、お客様を追い詰める仕事ではありません。
相手の状況を尊重することが信頼につながります。
電話をかける時間帯を考える
相手の生活リズムを考えることも営業の大切な仕事です。
例えば、
・昼休み
・夕方以降
・17時〜20時頃
などは電話に出てもらいやすいケースがあります。
もちろん相手によって異なりますが、
「今なら話しやすいだろうか」
という視点を持つだけでもコミュニケーションは変わります。
営業とは、自分の都合ではなく相手の都合を考える仕事なのです。
ショートメールを活用する
初めて電話をする相手は、こちらの電話番号を登録していません。
知らない番号から電話がかかってくると、警戒して出ない人も多くいます。
そんなときはショートメールを活用するのがおすすめです。
例えば、
「お忙しいところ失礼します。○○です。ご都合のよいお時間を教えていただければ、その時間にお電話いたします。」
このように送れば、お客様は安心して返信しやすくなります。
相手の都合を優先する姿勢が伝わるため、信頼関係づくりにも役立ちます。
良い物件が見つかっても焦らない
営業では、お客様にぴったりの物件が見つかると、すぐに伝えたくなるものです。
しかし、自分のテンションだけで連絡してしまうと失敗することがあります。
営業側が興奮しているほど、お客様との温度差が生まれてしまうことも少なくありません。
大切なのは、
「今ご案内しても大丈夫なタイミングだろうか」
という視点です。
相手の状況を考えて連絡することで、情報の価値も伝わりやすくなります。
営業は「売る仕事」ではない
営業というと、「商品を売る仕事」というイメージがあります。
しかし、本来の役割は少し違います。
お客様が買いたいと思っているなら、安心して購入できるようにサポートすること。
家を売りたい方であれば、できるだけ良い条件で売却できるように支援すること。
つまり営業とは、お客様の希望を実現するためのパートナーです。
そのため、
「買ってください。」
「売らせてください。」
とお願いする必要はありません。
お客様の目的を叶えるために最善の提案を行うことこそが、本来の営業の仕事なのです。
相手目線を徹底することが営業の第一歩
営業では、「早く契約につなげたい」「良い物件だから今すぐ伝えたい」という気持ちが強くなることがあります。しかし、その気持ちが強くなればなるほど、コミュニケーションは自分本位になってしまいます。
営業側は「この情報は絶対に喜んでもらえる」と思っていても、お客様が仕事中だったり、家族との時間を過ごしていたりすれば、そのタイミングでは歓迎されないかもしれません。どれだけ価値のある情報でも、伝えるタイミングや伝え方を間違えれば、相手にとっては負担になってしまいます。
だからこそ、営業では「自分が伝えたいタイミング」ではなく、「お客様が受け取りやすいタイミング」を考えることが重要です。電話一本、メール一通、ショートメール一件であっても、「今ならお客様は対応しやすいだろうか」と考えられる営業は、お客様から信頼されやすくなります。
営業の仕事は、自分の成果だけを追い求めることではありません。お客様が安心して相談できる存在になり、必要な時に必要な情報を提供することが、本当の意味で価値のある営業です。
売れている営業マンは、常に「自分が何を話すか」ではなく、「お客様にとって何が最善なのか」を基準に行動しています。この姿勢の積み重ねが信頼を生み、その結果として契約や紹介につながっていくのです。
まとめ
営業で成果を出す人は、商品を上手に説明する人ではありません。お客様の考えや気持ちを理解し、相手の立場に立って行動できる人です。
会話では「話すこと」よりも「聞くこと」を重視し、電話や連絡のタイミングにも配慮することで、お客様との信頼関係は大きく変わります。また、営業は商品を押し売りする仕事ではなく、お客様の希望を実現するためのサポート役です。自分本位ではなく、常に「相手にとって何が最善か」を考える姿勢こそが、売れている営業マンに共通する最大の特徴と言えるでしょう。
この記事を書いた人

-
宅地建物取引士、建築士、公認不動産コンサルティングマスターなどの有資格者。
「相続した実家、売る?貸す?使う?」
「杉山善昭の不動産ワクチンがいまなぜ必要か?」著者
(公社)神奈川県宅地建物取引業協会理事兼中央無料相談所相談員。
1990年から不動産業界に従事、2005年(有)ライフステージ代表取締役就任。
最新の投稿
代表杉山善昭/思考の書斎2026年8月19日借地権「他界したら返す」と書いてしまった——念書一枚が生んだ危機
代表杉山善昭/思考の書斎2026年8月19日借地権「勝手に販売している」——地主が激怒した日
代表杉山善昭/思考の書斎2026年8月19日借地権、先延ばしにしていたら手続きできなくなってしまった話
代表杉山善昭/思考の書斎2026年8月8日献血運動推進功労者 神奈川県知事表彰を受賞しました

